「単にかっこいいだけじゃなくて、どこかダサイんだけど、断然かっこいいバンドがやりたい！」。
初代リーダーの（イマイチ意味不明な？）こんな一言が、僕たちの始まりでした。

そして迎えた初ミーティング。まずはバンド名を決めなくてはなりません。
「ね、ね、“サブマリン”って良くない？」
「お、いいね〜」（←どこが？）
「っつーかさ、“バリバリ”ってつけたい！」
「おぉ〜っ！！」（←何が？）
「じゃ、“バリバリさぶまり〜んズ”でいいんじゃん？」
「すげ〜〜〜っ！！」（←考えるのが面倒なだけ）

その後も、「オレ、消防服みたいなヤツ着たい！」とか、「じゃ、オレはヘルメット！」とか、「この曲なまら（北海道弁で「とても」の意）歌いてぇ〜っ！…ってオレ、ボーカルじゃないけど」とか、 「何かさ、やっぱ踊りたいよな。振付考えちゃおっか？」とか、活発な（勝手な）意見が続々と飛び出しました。そしてそれらを全て形にした結果、 彼の思い描いた「ダサかっこいい」バンドが誕生したのです。

消防服やヘルメットで身を飾り、ステージ狭しと歌い踊る僕たちは、いつしか親しみをこめて「コミックバンド」と呼ばれるようになりました。
いえいえ、僕たち、ファンクバンドです！別に笑わせようと思って演ってるワケではありません！いつだって真剣です！

が、僕たちが信じた「かっこよさ」を表現すると、客席からはいつも笑い声が聞こえます。そして、お客さんの笑い声が聞こえると、僕たちはますます楽しく演ることができます。ステージと客席の距離感が縮まり、みんな心から楽しくなってきます。ライブは演る側も観る側も一緒に楽しむもの。…だったら「コミックバンド」、上等です。

2代目リーダーが札幌を離れて解散したのち、僕たちも全国各地に散らばってしまいました。僕たちはそれぞれ、別々の音楽シーンで活動を続けていました。

解散から10年が経ったある日、1通のメールが届きました。音信不通だった2代目リーダーからです。彼女は久しぶりにバリサブのVTRを見て、僕たちのことを懐かしく思い出し、インターネットで検索しまくったそうです。

バリサブ、やりたい！
彼女からメールがきた瞬間、僕たちはそう思いました。
あんなに自信満々で「バカ」やれるバンド、あれ以来やっていませんでした。
全国各地に散らばっていたって構わない。今は様々な手段で、地理的な距離なんかいくらでも縮めることができる！

こうしてバリサブの復活が実現しました。「もう振付覚えちゃったよ〜」と、一緒に踊ってくれたお客さん。「音楽って楽しいんだと改めて気付いたよ」と言ってくれたお客さん。そんなお客さんたちの笑顔に、また逢える日が楽しみです。

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